021-040
坂道の途中で振り向いたなら
プラットホームを吹き抜ける風に涙は渇いて
廃墟に青い空は哀しいほど輝く
風に攫われた言葉を繋ぎ合わせて
振り撒かれたカラフルな金平糖
映画のワンシーンのような幕切れ
悲しいのはあなたがいないからじゃない
窓から飛ばした紙ヒコーキの行方
一枚の冩眞を握り締めたまま
雨の音を聴きながら眼を閉じる
優しさじゃなく同情でも良かった(振り向いてくれるなら)
隙間から差し込む陽射しに透かす
愛していると云えない僕は、(臆病者ですか)
何処までも透明な涙を掬って、飲み干して(私を救って)
濡れたアスファルトに寝そべって見上げた空に
千切れた蝶の羽に欲しかった綺麗さは無く
たとえそれが偽物の愛でも、私は構わない
地平線は朝と夜の境に消えていった
いつか、虹の終わる場所へ
ニュルンベルクの鐘の音が鳴る前に
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